避妊・去勢手術について 

避妊・去勢手術とは 

どちらも全身麻酔下で実施され、避妊手術では両側の卵巣と子宮を、去勢手術では両側の精巣(睾丸)をそれぞれ摘出します。手術を受けた動物は繁殖能力がなくなります。 

避妊・去勢手術で得られる効果 

1. 望まれない妊娠と出産を防ぐ 

日本では現在、引き取り手のいない動物の安楽死や飼育放棄などが問題となっています。動物の飼育者には動物の適正な取扱いと動物の健康及び安全の保持等命を適切に取り扱う義務があります(動物愛護法より)。

 2. 生殖活動に伴う行動の変化を抑制する 

オスの場合、以下のような行動が少なくなります。 

  1. マウンティング:異性の動物や人間に対する性的行動(腰振り行動) 
  2. マーキング :なわばりを維持するための行動(尿や肛門からの分泌物によるにおい付け)
  3. 攻撃性 :動物同士のケンカ、無駄吠えなど 

メスの場合、以下のような行動が少なくなります。 

  1. 発情期特有の神経質な状態や嗚き声 
  2. 発情に伴う出血 

3. 動物の健康水準を向上させる 

生殖器関連疾患の予防に大きな効果があります。 

オスの場合精巣腫揚、前立腺肥大、前立腺炎、肛門周囲腺腫瘍、会陰へルニア、など。
メスの場合子宮蓄膿症、卵巣嚢腫、乳腺腫揚、など。 

価格

性ホルモン関連疾患や望まない妊娠の予防のため、交配させる予定がない場合には早期の去勢・避妊手術をお勧めいたします。 

去勢避妊
¥20,000(税抜)¥27,500(税抜)
¥15,000(税抜)¥22,500(税抜)
※上記の料金は、手術、麻酔、入院費が含まれます

※去勢手術は日帰り、避妊手術は開腹手術のため1日入院となります。 退院時には内服薬を処方します。 8kg以上の犬の料金はおたずねください。 

術前健康診断

手術実施前の健康診断をお勧めします。潜在的な病気が無いか健康状態を確認することで手術時のトラブルを回避できる場合があります。

術前健康診断セット料金  ¥6,500(税抜)・一般血液検査
・胸部レントゲン検査 

追加の検査が必要になった場合、別途の料金が発生することがあります。

よく聞かれる質問 

手術のデメリットはなんですか? 

  1. 全身麻酔と手術自体のリスク 
  2. ホルモン反応性尿失禁 :まれにメス犬でホルモンの変化によって尿漏れが起こる(中~大型犬が多い) 
  3. 縫合糸反応性肉芽腫 :まれに手術で使う縫合糸に対する過剰な免疫反応が起こる 

太りやすくなると聞いたけど本当ですか? 

生殖活動に使っていたエネルギーの消費が無くなるため、手術前と同じ量で同じ食事を続けていると体重は増えやすくなるかもしれませんが、手術によって体重管理が困難になることはまれかと思います。食事から摂る1日に必要なエネルギー量は年齢/体質/生活習慣などによって様々です。手術をする/しないに関わらず動物の状態に合わせて適切な食事管理を行うことが大切です。 

手術後に性格が変わってしまうことがありますか? 

手術によってその動物が本来持っていた気質が変化することはありません。攻撃的な行動やストレスの緩和から温和な性格になったと感じることはあると思います。

避妊・去勢手術の流れ 

手術の実施目安 6か月齢以降 

  • 体格の発育がゆっくりな子の場合には手術時期を遅らせることがあります。 
  • 犬では発情期の避妊手術は出血が多くなるためお勧めしていません。 

(※犬の初回発情は 8か月齢前後に起こることが一般的です) 

STEP
1

手術前検査 

  • 血液検査と胸部レントゲン検査を行い、健康状態や潜在的な病気の確認することで、麻酔や手術を危険にする要因がないか判断します。異常がない場合に手術の予定を組んでいきます。 
  • 手術前検査から1か月以内での手術をお勧めします。
STEP
2

手術日 

  • 手術日は食べ物(朝食やオヤツ)を与えないようにし、朝9時以降は水も飲ませないようにしてください。 
  • 手術日の午前中にお預かりします。去勢手術は当日の午後、避妊手術は翌日にお迎えに来てください。
  • 手術部位は細菌感染を防止するためにバリカンをかけて剃毛します。 
  • 手術に必要な注射や点滴を行うために前足の被毛もバリカンをかけて剃毛します (2~3cm程度)。 
  • 去勢では陰嚢、避妊では腹部に縫合を施した状態で手術が終了します。
STEP
3

退院後 

  • 食事と飲水は当日の夜から再開できます。 
  • 手術跡の化膿止めの飲み薬が処方されるので手術日の翌日から飲ませてあげてください。
  • 手術後はエリザベスカラーを装着して、手術部位を舐めたり縫合糸を噛み切らないようにしてください。
    ※エリザベスカラーは当院から貸し出しできます。
    ※エリザベスカラーが苦手な場合には術後服(別売り)も利用できます。 
  • 動物が自発的に動く範囲であれば運動制限の必要はありませんが、手術跡の汚れを防ぐために、お散歩はトイレをしたり、気分転換で少し歩く程度にして下さい。 
  • 手術後数日は動物の体調が不安定になりやすいため、特に、元気の良さ、食欲、排便と排尿、についてよく観察してください。 
  • 1日3回は必ず手術跡に異常がないか(赤くなってないか、糸がほどけてないか)確認してください。 
STEP
4

手術跡の確認と抜糸 

  • 手術から1週間後に手術後の経過を確認し、その1週間後に手術跡の確認を行って問題が無ければ抜糸を行います。抜糸が済めばエリザベスカラーの装着は必要なくなります。
STEP
5

手術について

麻酔・疼痛管理について

麻酔・疼痛管理について

手術中、全身麻酔で意識がなくても、動物の体は痛みを感じています。持続的な痛みは神経を過敏にし、術後の痛みを増強させる「ワインドアップ現象」を引き起こすことも知られています。当院では、こうした術後の苦痛を最小限にするため「マルチモーダル鎮痛」を実践。これは作用の異なる複数の鎮痛薬や局所麻酔を効果的に組み合わせ、様々な痛みの伝達経路を遮断する方法です。これにより、副作用を抑えつつ最大の鎮痛効果を引き出します。その子の状態に合わせて最適な疼痛管理を丁寧に行いますのでご安心ください。

全身麻酔装置のご紹介

全身麻酔器システム

安全な麻酔のために不可欠な装置です。人工呼吸器も備え、手術中の動物の呼吸を正確に管理します。

麻酔監視装置(モニター)

手心拍数、血圧、体温などをリアルタイムで監視し、麻酔中の動物のわずかな変化も見逃しません

心電計自動解析装置

手術前後の心臓の検査に使用します。詳細な心電図を自動で解析し、心臓の状態を正確に把握します。

手術前の検査

安全な麻酔と手術のために、事前の健康状態のチェックは欠かせません。見た目ではわからない内臓の機能や体の状態を、血液検査やレントゲン検査で詳細に評価します。これにより、一頭一頭の動物に最適な麻酔計画を立て、手術のリスクを最小限に抑えることができます。大切なご家族を安心してお預けいただくための、重要なステップです。

検査内容

  • 血球計数
    貧血や脱水、感染症の有無などを評価します。体の基本的な健康状態を知るための重要な検査です。
  • 血液生化学検査
    肝臓や腎臓など、内臓の機能を数字で評価します。麻酔薬の代謝や排泄に関わる重要な項目です。
  • 血液凝固系検査
    血液が正常に固まるかを確認します。安全な手術に不可欠で、出血のリスクを事前に評価します。
  • 胸部レントゲン検査
    心臓の大きさや形、肺の状態を画像で確認します。心臓病や呼吸器疾患の有無を評価します。

検査費用

12,000~円 (税込)

※動物種や年齢、基礎疾患によっては検査項目を追加することがあり、費用が前後いたします。

入院について

  • 24時間体制の丁寧な看護
    入院中の動物たちが安心して過ごせるよう、獣医師と愛玩動物看護師が常に状態を見守ります。
  • 各種モニターによる詳細な健康管理
    必要に応じて心電図、心拍数、酸素飽和度(SpO2)、血圧などを継続的に測定し、細かな体調の変化を把握します。
  • 常に目が行き届く安心の設計
    入院室は、スタッフが医局にいる間もICUケージの様子を直接確認できる構造で、見守りが途切れることはありません。
  • 院内全体でのリアルタイムな情報共有
    ICUの生体モニター情報は院内のディスプレイにも表示され、スタッフ全員がいつでも容態を一目で把握できる体制を整えています。

入院中の生活について

冷暖房完備。食事・お散歩等の管理はお任せ頂きたいと思いますが、特別な習性や性格、体質、食事癖、嘔吐癖、噛み付き癖が有る場合予めお知らせ下さい。又、病気療養中ですので、面会中のおやつや食事の差し入れ等も前もってご相談下さい。

犬用入院室

犬用の入院ケージです。

猫用入院室

猫用の入院ケージです。

大型犬用入院室

大型犬については、別途入院ケージを設けています。